「文章は読み手の立場になって」の「読み手」とは?
業種・業態に関わらず、またどんな立場で働いていても、文章を書く機会はあります。
業務の中で、チラシやPOPを書く機会がある人もいるでしょうし、報告書を書かなきゃいけないときもあるかもしれません。個人でも、今はブログやSNSで文章を綴っている人も多いので、何かのかたちで私たちは文章を書いています。
また、文章を読む機会もたくさんあります。
新聞・雑誌などもそうですが、それこそブログやSNSなどで文章を読むこともあります。たくさんの情報を目にするわけですが、多くの場合「それを読むか読まないか」は、こちら側が選択できますよね。
新聞も雑誌も、読みたくなければ飛ばしてしまえばいい。
ブログやSNSも、タイトルや一行目をさっと見て、興味がなければそれ以上読まなければいいんです。
読む側に委ねられている「行動の選択」
読む立場、つまり自分が読者であるとき、私たちは「読み進むか、ここで読むのをやめるか」を選んでいます。これは当然のことなんですが、この行動を、自分が情報を発信する立場になると、忘れてしまいがち。
読んでくれる前提で文章を書いてしまいがちです。
プレスリリースを書いたこと、ありますか?
プレスリリースとは、簡単に言うと企業・団体がメディアへ出す「お知らせ」のことです。
新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどのメディアが発信する事柄には、企業・団体などから送られてくるプレスリリースが元になっている場合が多くあります。
「プレスリリースの書き方」と検索すれば、たくさんのHowTo記事が出てきます。プレスリリースの制作会社もあります。
HowToに従い、頑張ってプレスリリースを書いたら、あとはメディアの担当部署へ送るだけ。興味を持ってもらえれば、その企業・団体が発信したい情報がメディアに掲載されるのです。
「興味を持ってもらえれば」と書きましたが、それ以前に社会的意義があるとか、タイムリーであるとか、取り上げられるために必要なことをクリアする必要もあります。
とにかく、プレスリリースを送ってメディアに取り上げてもらおうと思ったら、まずは担当者に最後まで読んでもらうことが必要です。
「読み進むか、ここで読むのをやめるか」の選択権は(当たり前ですけど)、メディアの担当者側にあります。
特にプレスリリースの場合、担当者のところへは日々多くのプレスリリースが届くので、すべてのリリース記事を最後まで読まれることはありません。
おっと・・・。プレスリリースの成功方法についてお伝えしているのではないので、話を戻しますね。
「読み手の立場で文章を読み返す」ということ
リリース記事は極端な例かもしれませんが、「情報をすべて読んでもらえるかどうかを決めるのは、読み手だ」ということは、どの文章でも同じです。
書く側は、どうしたら興味を持ってもらえるか、どうしたらわかりやすくなるか、一生懸命考えて文章を書いていくのも同じ。
最終的にそのジャッジをするのは「読み手側」です。
ちょっと言い方を変えると、どんなに頑張ったって読まれない時もあるというわけです。読み手側が判断するんですから。
でも、そう言ってしまったらオシマイですよね(笑)。
だからこそ、文章を書く時に忘れちゃいけないのが「読み手」のこと。「読み手の立場で文章を書きましょう」「読み手の立場で見直しましょう」というわけです。
これ、結構ムズカシイと思います。書いているときって、わーっと熱が入ってしまいますし、「読み手の立場になって」って言われても・・・でしょ?
「読み手の立場になって、って言われても、結局読まれないってこともあるんでしょ」と匙を投げてしまいそうになるのですが、ちょっと視点を変えてみましょう。
「読み手=情報の受け取り手」と考えてはどうでしょう。
何も特殊な視点でもないし、特別な考え方でもありません。
でも、「読み手=情報の受け取り手」として文章を読み返してはどうか、と思います。
わーっと文章を書いてもOKです。
そのあと少し時間を置いてから、情報の受け取り手の立場で読み返すだけです。
書いた文章(=情報)に「もっと知りたい」「行ってみたい」「見てみたい」という興味を持てるか?
「へぇ、そうなのか。誰かに伝えたい」と思える情報か?
わかりやすい情報か?
ぽろぽろと直したい部分がでてきます。そうやって直していったらいいんじゃないかと思います。
読み手の立場で、と言われると少し漠然としますが、情報を受け取る人の立場でと考えると、読み返すポイントも見えてくると思います。
文章を書いているのは「ワタシ」という一人ですが、文章を読む人「=情報の受け取り手」は、そんな「ワタシ」から、たくさん情報が送られているということを忘れないこと。
たくさんの情報の中から、最後まで読み進んでもらえるように見直していきたいですね。
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