2021-02-14

発信時に気を付けること-自分の考えや視点

2月1日に開催した文章セミナー(豊中ビジネスアップ)では「書く」ことについて、いくつかのテーマで「こうしたらいいと思いますよ~」とお伝えしました。

…ってなことを、一つ前の記事(2021年2月2日)に書いています。

テーマの中では、特にSNSを使った発信で気を付けたいこともにも触れていました。
「SNSでの発信」としたのは、拡散力があるから。発信する、という意味ではSNSだろうとブログだろうと、チラシやポスターだろうと同じです。

するとまあ、そのすぐあとに、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長の女性をめぐる発言が大きなニュースになっていました。
セミナーのすぐあとでしたから、中には「あ」と思った人もいらっしゃるかもしれませんね。

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写真:photoAC)

「SNSを投稿するときは、こういう視点で確認したほうがいいですよ」とお伝えしていたポイントの一つが、「女性らしさ」「男性らしさ」を過度に主張した投稿になっていないか、でした。

「女性はこう」「男性はこう」と決めつけたり押し付けたりしていないかどうか。
表現するうえではもちろん、そもそも日ごろから自分自身で考えておきたい視点です。

ここでは、問題になっている事案について掘り下げませんが、「女性らしさ」「男性らしさ」を主張しすぎる投稿とはどういうことか、決めつけや押し付けの表現とはなにか、をもうちょっと簡単にお伝えします。

役割の決めつけやおしつけとは

たとえば、Aさんという、話があまり上手でない人がいたとします。

「Aさんって、話がヘタだよね。長いし、オチがよくわからん」と、思ったときにどう表現するか。

「私は、Aさんは話がヘタだなぁと思います」とするのです。

ポイントは2つ。
一つは「あくまでもAさんについて述べる」こと。
もう一つは「私は…思う」と、自分の考えとして述べること。

これが基本です。

1、「Aさんについて述べる」とは

例えば、Bという男性がなにか悪いことをしたときに「男性って悪いことするよね」と言われると、それは違うって思いませんか?
悪いことをしたのは、Bさんです。
Bさんがたまたま男性だっただけのこと。なのに、なぜ男性をひとくくりにして「悪いことするよね」と言われなきゃいけないの?って話です。

ある一人のことを伝えるのに「男性ってさぁ」とか「女性ってさぁ」と、言ってしまうのはおかしい。
それは「決めつけやおしつけ」です。

2、自分の考えとして述べる、とは

「私はこう思う」と発信することは、責任を伴います。
回避する一つの手が「みんなこう言ってる」「一般的にこうだ」と表現することかもしれません。

だからこそ「私はこう思う」の言葉が信頼されるのです。
「私はこう思う」との言葉を発するためには、本当にそれでいいのか、謙虚に考えているからです。(本当にそれでいいか、考えるべきだということです)

「自分の考えとして意見を述べる」ということを意識することは大切です。
意見を表明するのですから「自分の言いたいこと」だけでなく「それを聞いた(読んだ)人がどう受けとめるか」を想像できるようになるでしょう。

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(写真:photoAC)

「こういう視点に気を付けて発信しましょう」とは「この発信は控えるべき」などを意味するのではありません。

そもそも「気を付けて発信する」とは、テクニックの話でもありません。

ことばには、その人の考え方は出てくるものです。むしろ、考え方や思いが出ている文章のほうが、伝えたい人の心に届くと私は考えています。

「○○といえばあの人・あの会社」と信頼を得るためには、あなたの考えが誤解されることなく届くように気をつけること。そうすれば、自然と自分の考えや視点を振り返ることにつながります。

ここでそう話している私自身、弱い立場や数の少ない側に寄り添えているのかどうか、自分の視点や考えを振り返らなくてはいけないなと思っています。

あ、最後に♪
最初に挙げた「Aさんが話がヘタだ」という話。

このAさんについて、あなたはどんな人を思い浮かべましたか?
女性・男性、年齢や職業や育ってきた環境。
ここでは一切その情報は書いていません。思いうかべたなかに、自分の「思い込み」がなかったでしょうか?
なかなかフラットに…というのは、ムズカシイものです。
でも、心にとめておけるのか、見ようともしないのかは、大きな違いです。

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